第六章 再会-2
それが、三日前。
突然、映見から切り出してきたんだ。
『あの・・いいよ、行っても・・・』
僕は耳を疑った。
『ほ、本当・・・?』
恐る恐る尋ねる僕の顔を避けるように俯く妻は、消え入るような声で答えてくれた。
『だって・・裕君・・・行きたいんでしょ?』
一瞬、顔を上げた瞳は涙がこぼれそうに潤んでいた。
『あ、ありがとう・・・』
それ以上は言葉が思いつかない僕は、映見の細い身体を抱きしめた。
『裕・・君・・・』
抱きしめ返す力は弱く、僕の頬に温かいものが感じた。
それが、妻の涙と知って抱きしめながら囁いた。
『無理しなくて、いいんだよ・・・』
すると、映見は抱きしめる力を強め呟いた。
『いいの・・大丈夫・・・いいの・・裕君・・・』
まるで、自分に言い聞かせるように感じたのは気のせいだったか。
それでも僕は、再び藤本夫妻と会うことに、「スワッピング」に、興奮していた。