第五章 惨劇-1
第五章 惨劇
4両編成の電車が止まると、人気のなかったホームに制服の群れがドアからあふれ出してきた。
まもなく到着した特急列車は数分停車した後、階段を昇る高校生達の姿が消える頃、ユックリと走り出した。
それが、東京へ帰る映見が乗車する筈の電車だった。
改札を出た数人のグループが、ロータリーの前にあるトイレの脇を通り過ぎた。
コンクリート打放しの外観はドアやサインもパステルカラーで鮮やかに彩られ、トイレのイメージを超えたオシャレなデザインになっていた。
人影が途絶えると、ロータリーは再び静寂に包まれた。
そこには、扉越しにかすかに聞こえる曇った声に、気づく者は誰も残ってはいなかった。
「あっ・・・あっ・・あっ・・・」
「はっ・・・はっ・・はっ・・・」
高い声と荒い息が重なり、トイレの壁に響いている。
「あっ・・・んっ・・ふっ・・・」
一定の間隔でリズムを刻む女は、快感をかみ締めるようにウットリと目を閉じている。
「はぅっ・・・あっ・・ああっー・・・」
時折、こみ上げる刺激に顔を仰け反らせる。
「ふふふふ・・・」
携帯のモニター映る光景を見ながら、茶髪の男はニヤついた笑みを浮かべた。
「本当、エロいぜ・・・」
白い便器に座る男にまたがるようにして、後ろから女が突き上げられている。
「あっ・・・あっ・・あっ・・・あっ・・」
パックリと開いたヴァギナから、赤黒いペニスが激しく出し入れされている。