第四章 むなしい抵抗-4
「いやぁっ・・・・」
恥ずかしさに、首筋まで赤く染めた顔を両手で覆った。
自分のあられもない姿を見せられ、閉じ込めていた理性が目覚めたのだ。
(な、何てことを・・・)
初めて、夫の顔が浮かんだ。
(祐君・・・)
愛する人への裏切りの事実に、愕然としている。
(こんな、こんな筈じゃぁ・・・)
そう、最初は抵抗したのだ。
レイプに怯え、男達の愛撫もおぞましく感じていた筈なのに。
(ど、どうして・・・・?)
その野獣達に屈辱的な愛撫をしていたとは。
あまりの不条理さに気が狂いそうになる。
(いやらしい・・・)
鏡に映る自分の顔が不安げな表情でつぶやいている。
心臓の鼓動が大きく脈打つ。
(わたしっ・・わたしっ・・・どうしたら?)
口から胸元までに飛び散ったザーメンが濡れて光っている。
残酷な光景が、取り戻せない過去を物語っていた。