第三章 蘇る味-1
第三章 蘇る味
「んっ・・ふ・・・ん・・・・」
コックを唇がなぞっていく。
鼻から漏れる息が、かすかに聞こえる。
「ふっ・・う・・ん・・・・」
時折、プックリと穴が広がるたびに切ない感情が増していく。
(あぁ・・この、味・・・)
目を閉じた映見の脳裏に、懐かしい味が蘇ってくる。
むせ返るような生臭い匂いが、鼻腔をくすぐる。
「おっ・・おおおぉっ・・・」
男のかすれた声がシーンと重なる。
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