第三章 蘇る味-7
(あぁ・・・こ、こんな・・・)
映見は気づき始めていた。
責めたてる罪悪感がより一層、快感をましていることに。
「あああっ・・・あああ・・ああ・・・・」
切ない声が漏れるたびに薄目をあけて、確かめてしまう。
「あふぅ・・んん・・・」
舌をカリ首になぞりながら、男達の快感を増幅してやる。
「おおおっ・・おおおおおー・・・」
何故か、のけぞる日焼けの男がいとおしく思えた。
「んふっ・・んふっ・・・んっんっ・・・
んっ・・・ふっ・・・んふっ・・・」
(感じてっ・・ああ、嬉しいっ・・・)
「おぁあ・・はあぁ−・・・」
冷たいトイレの壁に、淫靡な声が響き渡る。
(藤本さん・・・)
映見は何度もその名を心の中でつぶやいている。
夫の裕太ではない男の名を。
男達の顔に、忘れられない人を重ねていくのだった。