第二章 あらがい-3
「あぁ・・あ・・ぐぅ・・・」
あまりの痛さに舌を差し出すと、唾液が喉の奥からあふれ、男の指を濡らした。
「それで、いいんだよぉ・・・」
満足そうにつぶやき、指の力を緩めてやる。
「はぁっ・・はぁっ・・・」
涙で頬を光らせる映見はあえぐようにして、荒い呼吸を繰り返している。
「フフフ・・・次は俺だ・・・」
ロンゲの指が涙の跡をなぞる。
「んぐぅっ・・・」
再び唇を塞がれると、別の味がする舌が絡み付いてきた。
反射的に開いた視界に男の顔が見える。
夫ではない、見知らぬ顔だった。
(い、いやっ・・いやっ・・・)
逃れることはできない。
ガッシリと押さえつけれらた身体は身動きもできず、なすがままに蹂躙されていく。
「あふぅ・・うぅ・・・」
唇が開放されると、肺に入る新鮮な空気を吸い込む。
徐々に表情から強張りが消えていく。
「そうそう・・力を抜いて・・・」
茶髪が耳元で囁きながら、うなじに舌を這わせている。
「あっ・・・」
ビクンと反応する顔が上を向くと、半開きの唇越しに白い歯とピンク色の舌が見えた。
「ふっ・・んっ・・・」
当然のように重ねられた唇の感触が、ネットリと広がる。