第二章 あらがい-2
「ふふふふ・・・」
「へへへへ・・・」
それは男達の狩猟本能をくすぐり、助長させるだけだった。
「なぁ、キスしようぜ・・・」
茶髪の男が図々しく告げると、映見の肩がビクッと反応した。
「聞こえねぇのかぁ?」
目を閉じたままの震える獲物に、容赦ない言葉が投げられる。
「こっちを見ろよっ、おいっ・・・」
「ひぃっ・・・」
髪をグイッと引っ張る強い力に、こじ開けるように両目を開く。
涙で滲んだ視界に男達の下卑た笑みが、ボンヤリと浮かんだ。
「キスだよ、キスッ・・・」
「ぐぅっ・・・」
身構える暇も与えず、男の顔が近づいたかと思った瞬間、唇がふさがれた。
(い、いやっ・・・)
ヤニ臭い味が口じゅうに広がる。
「んっ・・んんっ・・・」
逃れようとしても、大きな手で押さえられると、身動きが出来ない。
「んぐぅっ・・・」
こじ入れられた舌が、口の中で暴れ回る。
(いやっ・・いやっ・・・)
絡めとられないよう、身を固くする映見に容赦のない声が飛ぶ。
「おらぁ、舌を出せよっ・・・」
目をしっかり閉じたままカブリをふるが、男の指が細いアゴを締め付け、強制的に口を開けさせられる。