第一章 不条理なプロローグ(画像付)-2
(まさか・・・?)
明らかに、映見の後をつけてきたとしか思えなかった。
「はぁっ・・・」
自分の吐息を耳にし、不安が現実味を帯びてくる。
逃げなければ・・・。
ドラマのワンシーンがよぎる。
まさかとは思うが、白昼にも関わらず、閑散とした駅前の静けさは恐怖を煽るには十分過ぎるほどだった。
何か、東京の自宅までついて来られそうな不安が浮かぶ程、不気味だった。
茶髪とロンゲ。
いかにもという、ヤンキーな二人組みは、平日の昼間からパチンコをするヤクザな雰囲気をかもし出していたからだった。
(だから・・・)
一旦、脇にあった路地に入り、迂回したルートをたどってみたのだ。
(いる・・・)
大通りの交差点に出た後、そっと振り返ると二人の姿を見つけた。
足を速め、一直線に駅を目指す。
「あっ・・・」
ロータリーにいた一台きりのタクシーを見つけ、ホッとしたのもつかの間、客を乗せないまま走り出してしまった。
他には車も人もいない。
念のため、見上げた階段の端に人影が見えた。
二人の内で茶髪の方だ。
目立つから直ぐにわかる。