第二十五章 名刺-3
僕の目の前で。
『わ、私ぃ・・いやらしいのぉ・・・』
僕に向かって喜びの声を絞り出していた。
だけど。
僕達夫婦に今まで味わった事のない刺激をくれたのは事実だった。
それだけは認めざるを得ない。
マンネリだった僕達のセックスは一変した。
映見は今では、僕のどんな要求にも応えてくれる。
不条理な営みは強烈な官能を運び、妻は従順な性奴隷として僕に奉仕するんだ。
僕は映見の魅力を再発見し、充実した日々を送っていた。
だから。
もしかしたら更なる体験が出来るかもしれない。
いや、キッとそうだろう。
僕は名刺をしまうと大きく息を吐いた。
(だけど、まだ・・・)
そう、もう少し。
考える時間が必要だ。
この間、僕達は初めてスワッピングを経験した。
そう。
僕と映見の新しいセックスライフは今、始まったばかりなのだから。
―スワッピング入門―
第一部 初めてのスワッピング(完)