第二十三章 新しい夫婦生活-9
『あうっ・・・』
反応した妻の身体が弓のように反り返った。
『わ、私もいかせてもらいますよ・・・』
僕に確認したのだろうか。
『ふっ・・・んっ・・ふっ・・・』
動きを早めていく。
『あああああー・・・』
激しい突き上げに映見が悲鳴をあげる。
右手が伸びて、妻の顔を振り向かせた。
『映見っ・・・こっちを御覧っ・・・』
『あああっ・・・』
映見の顔が切なく歪む。
改めてパートナーが誰かを自覚させたのだ。
衝撃的なシーンだった。
『いくっ・・・いくよっ・・・映見ぃ・・・』
言い聞かせるように声を出している。
強烈なイメージを妻に植え付けようとしているのだ。
『そう・・・一緒にいこう・・・
もっと僕の顔を見て・・・』
『ああっ・・いやっ・・・ああああっ・・・』
髪を振り乱して叫ぶ映見。
夫以外の男と昇りつめる罪が興奮を煽る。
『僕の名を呼んでおくれっ・・・
映見っ・・・・映見っ・・・』
『ああっー・・・・あっあっ・・・・』
だが、逃れられない事実が妻に官能の声を出させる。
『ふ、藤本さんっ・・・』
男の名を口にすると、堰を切ったように声を出しいく。
『ああっ・・凄いっ・・私っ・・私っ・・・』
快感に耐えながらも振り向き、男を見ようとしていた。
身体を支える細い腕が折れそうに震えている。
『おおっ・・・映見っ・・・映見ぃ・・・』
男の動きが激しさ増していく。
『あんっあんっ・・・
藤本さんっ・・藤本さんっ・・・』
男の名を何度も呼ぶ妻に強烈な嫉妬心が沸き上がってくる。
この時、映見は完全にアイツのものになっていた。