第二十二章 メス犬-9
「映見っ・・・映見ぃ・・・。」
「かおりっ・・・かおりぃ・・・」
自分の妻に向かって叫んでいる。
「裕君っ・・・・裕君・・・・」
「アナタッ・・・アナタァ・・・・」
その声を聞きながら昇っていく。
「ゆ、裕君っ・・・・裕君っ・・・」
映見が僕を呼ぶ。
「おおおっ・・・え、映見っ・・・」
その顔を見ながら突き上げていく。
これほどの興奮を味わった事があっただろうか。
お互い違う相手とセックスしている。
不条理な官能に包まれながら、僕は妻の名を呼んでいた。
「映見っ、映見ぃっ・・・」
「ああ・・・裕君っ・・・裕君っ・・・」
映見も声を絞り出している。
「あああ・・・ああ、あああっ・・・」
涙が滲む瞳から、切ない光が漏れる。
「あああああっー・・・・」
何度も訪れる絶頂感に、大きく背中を仰け反らせるのだった。