第十八章 愛の告白-4
「君は僕のザーメンを飲んでくれた・・・
嬉しいよ・・・」
「ああ・・・んんっ・・・」
私は感動していた。
いくら彼が放出したものとはいえ、こんなに愛情を込めてキスしてくれるなんて。
「有難う・・・愛しているよ・・・
ああ・・・映見さん・・・」
「あああ・・・あ・・・あはぁ・・・」
生臭い舌が、顔中を這い回ってくる。
「好きだ・・・映見さん・・・
ああ・・好きだぁ・・・」
愛の告白が熱い官能となって心を溶かしていく。
会ったばかりなのに。
恋愛感情等、ありはしない筈なのに。
(で、でも・・・)
私は両腕で力いっぱい、広い背中を抱きしめていた。
「ああ・・・んんん・・
んふぅ・・・んん・・・」
唇が重なる。
互いの舌が求め合うように伸びていく。
「あふぅ・・・んん・・・
好きぃ・・大好きぃ」
私は心を込めて言葉を返した。
(ああ・・・わた・・し・・・)
自分の言葉に興奮している。
裕君以外の人に言ったのは初めてだったの。
異常なシチュエーションだったとはいえ抱き合い、愛撫し合う内に何か不思議な感情が芽生えていたんです。
「え、えみ・・・」
裕君の声がした。
直ぐ隣に座っている。
(ああ・・・ゆ、裕君・・・)
怖い位、真剣な目。
切なさと共に、得体の知れない感情が込み上げてくる。
何か、凄くイジワルしてみたくなったの。
さっき味わった私の嫉妬や屈辱の何倍ものダメージを、夫に与えたくなったんです。
私は両手で藤本さんの顔を引き寄せた。