怪談話CASE2:立花香織の場合-2
翌日。
今日は夕御飯の材料を買いに行かなきゃ。
「ん〜と?きゅうりとレタスとトマトっ…と。」
今日は野菜サラダだ。
敬太はベジタリアンだからなぁ…、喜ぶだろうなぁ。
と、ルンルン気分で買い物を終え、帰り道を急いでいると
「こんばんは。」
あの不思議なお婆さんがあいさつをしてきた。
「こっ、こんばんは」
あいさつを返すと、また無言で消えていった。
「…気にしない気にしない。」
内心不思議だが、気にしてはいけないと思い、自宅に急いだ。
〜一週間後〜
あのゴミ捨ての日から毎日あいさつしてくるお婆さん。そろそろその存在になれてきた時。
「ふふ〜♪」
気にかかるものも無くなり、晴々な気分でゴミを捨てに行った。
『…ね………よ…』
何やら、いつもの井戸端会議メンバーの声が小さい。
「あの…どうしたんですか?」
『あっ香織さん…………ずっと気になってたんだけどね?…いつも誰とあいさつしてるの?」
「えッッ…?80歳ぐらいの、小さいお婆さん見てないんですか……?」
『そんな人は見たことないけど…香織さんきっと疲れてるのよ。専業主婦は忙しいから。』
やだ…幻覚…?な訳無い!アレは確かに人間だし、声も聞こえたし…。疲れてなんか無いし。
「…ちょっと家戻りますね…。」
『身体を大事にしてね?』
心配してくれるのは嬉しいけど、なんかイヤだな…。