第十六章 獣の味-8
「んぐっ・・・ぐぅ・・・・んふぅ・・」
「おあああああ・・・あああああああああ・・・」
私の顔を抱えて藤本さんが叫んでいる。
「んふぅ・・・あふぅ・・・・
はぁっ・・はぁっ・・」
唇から放したコックはビクンビクンと痙攣しながら、まだ微かに透明な液体を滲ませていた。
「はぁっ・・・んはぁ・・・」
余韻を感じながら、舌でそっとなぞった。
「うっ・・・」
目を閉じ、ウットリとした表情でのけぞる藤本さんの顔が見えた。
(可愛い・・・)
ふと見ると、裕君と目が合った。
真剣な顔で睨んでいる。
(裕君・・・・・。)
見つめ合う夫越しに、ガラスのドアに私が映っているのが見えた。
(ヤ・・ダ・・・)
汗とザーメンで濡れた私の顔は、メス犬のような淫靡な笑みを浮かべていた。