第十三章 決心-8
「ああ・・裕君・・・」
私は男の背中に爪を立てた。
感情が身体中を駆け巡っていく。
嫉妬している。
でもさっきのような寂しさを伴った寒さはなかった。
熱い温もりが包んでいてくれる。
「これがスワッピング、ですよ・・・」
男は満足そうに言った。
「どうです、奥さん・・・」
小さな目がじっと覗き込む。
「改めて、我々と一緒に楽しんで頂けませんか?」
パンティー越しに、男のペニスがビクンと動いた。
(ああ・・・)
私の股間に熱いものがジュン、と。
(わ、わた・・し・・・)
知ったんです。
自分の気持ちを。
求めている。
欲望が走り出していく。
何かが、私を途方もない世界へと連れ去ろうとしている。
だから、私。
この人の視線から目が反らす事が出来なかった。
「ああ・・・」
唇から吐息が、こぼれていく。