第十二章 反逆-3
「おおおっ・・・いいっ・・
す、凄い・・上手ですよ」
男の胸も汗で光っている。
「あふぅ・・・はぁ・・はぁっ・・あはぁ・・・」
妻は顔を上げると、嬉しそうに微笑んだ。
(綺麗だ・・・)
僕は心の中で呟いた。
天使のような表情は、指に絡まるコックのグロテクスさとまるで対照的だった。
「本当・・・?」
トロンとした瞳は夢でも見ているように潤んでいる。
「え、映見ぃ・・・」
思わず漏らした僕の声に映見が振り返った。
一瞬だけど、鋭い目で睨んでいた。
しかし妻の視線は直ぐにそれてしまった。
もう一度優しい声で男に聞いた。
まるで恋人に囁くように。
「痛く・・・ない?」
恐る恐る尋ねる口調に、僕は気が狂いそうになった。
「ああ・・凄く気持ちいいですよ、
奥さん・・・」
男は妻の頬を包むようにして答えている。
チラリと僕を見た視線が勝ち誇っているように感じた。