第十一章 裏切り-1
第十一章 裏切り
「ゆ、裕君・・・・」
私の声はため息のように、か細く消えていった。
「ああっー・・・あっあっあっ・・・」
夫の変わり果てた姿に、理性が崩壊していた。
体中の力が奪われ、虚ろな視線を投げている。
「凄いっ・・・ああ・・す、凄いぃ・・・」
仰け反り悲鳴を上げる度に、女の髪を掻きむしっている。
「ンフフフ・・・」
時折、振り向く女の視線が絡みついてくる。
ズキンと心に突き刺さる。
(ひ、ひどい・・・)
嫉妬と憎しみが身体の奥底から沸き上がってくる。