第十一章 裏切り-9
「んふっ・・・んふっ・・・んんっ・・・」
ケダモノのような痴態を繰り広げる女。
「ああっ・・・ああっ・・・あっあっあっ・・・」
官能に咽ぶ、夫の表情。
私、視線を反らす事なく見続けていたんです。
不思議な興奮を感じる。
私を抱く男の力が更に強くなる。
「す、すご・・・い・・・」
顔を上げ私は呟いた。
「わ、私・・・こんなの見るの・・初めて・・・」
男は顔をほころばせた。
そして優しい声で囁いた。
「興奮・・・する?」
「うん・・・」
男の問いに今度は素直に頷いた。
自分の気持ちの変化に戸惑ってはいたけど。
私、甘えるように身体を押し付けたんです・・・。
見知らぬ男に温もりを求めている。
でも、こうしないと気が狂っていたかもしれない。
目の前で繰り広げられる残酷で淫靡なショーが続く限り。
「ンフフフ・・・もっと感じさせてあげる・・・」
挑発的な視線が飛んでくる。
「あっ・・・おおおっ・・あああ・・・」
官能に咽ぶ夫を完全に手玉に取っている。
悔しい。
強烈な嫉妬と共に怒りが膨らんでくる。
(だから・・・)
仕返し、したくなったんです。