第十一章 裏切り-7 (暖かい・・・) ふと、そう思った。 愛する夫に裏切られ、悲しさと絶望が私の心を凍えさせていた。 男の優しさが癒してくれる。 そんな気がしたんです。 (わたし・・・) 無意識にパートナーを求めていたのでしょうか。 奪われた夫の変わりに。 それとも男の巧みな話し方に操られていたのかしら? 自分から、左手を男の腰に廻したんです。 直ぐに男の手が重なった。