第十一章 裏切り-3
「興奮するでしょう・・・?」
「な、何を言うの・・・?」
そのセリフにムッときた私は、男を睨みつけた。
「申し訳ない・・・」
男は一瞬、たじろいだ表情をしたが、直ぐに柔和な笑みを浮かべた。
「でも・・・」
言葉を繋いでいく。
「そう、これが・・・・
スワッピング、夫婦交換、なんです・・・」
低く優しい声。
(そう・・・だ・・・)
あの女は、この人の妻。
余りのショックで肝心な事を忘れていた。
今、自分の肩を抱いているのは、あの憎むべき女の夫なんです。