第十一章 裏切り-2 (な、何なの・・・この女・・・) 私の感情を逆撫でするように挑発してくる。 耳元までカーッと熱くなる。 (ゆ、許せない・・・) 人の夫を奪い、その妻の前で平然といやらしい行為をするなんて。 悔しさに唇を噛んだ。 (えっ・・・?) 肩を抱く感触に顔を上げた。 男が、いた。 私の顔を見つめている。