第十一章 裏切り-14
(嬉しい・・・)
私の愛撫に感じてくれている。
むず痒い気持ちが込み上げてくる。
男に対して不思議な愛情が、芽生え始めていた。
「ああああっー・・・」
大きな声に顔を上げた。
「ああっ・・ああっ・・・
もうっ・・・ああっー・・もうっ・・・」
夫が叫んでいる。
「いいのよ・・・いって・・出して・・」
女が嬉しそうに励ましている。
何かを待っている。
激しく指を絡ませながら。
「飲んであげる・・・あああ・・・
嬉しいっ・・・・一杯出してぇ・・・」
「あああああ・・・あああああっー・・・・
ああああっー・・・」
涙ぐんだ切ない声。
私、一度も聞いた事の無い。
ショックだった。
切ない気持ちが再びこみ上げてくる。
でも次の瞬間、私が受けた衝撃は更に大きくなったんです。