第九章 予期せぬ出来事-1
第九章 予期せぬ出来事
「ゴホッゴホッ・・ゴホッ・・・」
(く、苦しい・・・)
私は目も開けられない位、激しく咳き込んだままだった。
余りにも苦しくて、涙が溢れて止まらなかったんです。
「大丈夫・・・?」
背中をさすりながら、裕君が優しく励ましてくれている。
「ウッ・・ウッー・・・ゴホッゴホッ・・・」
言葉を返そうとするのだけど声が出ない。
耳も奥の方がツーンとして、何だか海の底に沈められたような気分。
「ウウンッ・・・ウッ・・ンンッ」
どの位時間がたったのだろうか。
多分、10分以上は咳き込んでいたに違いないわ。
ようやく咳がおさまり、徐々に呼吸が楽になっていったの。