第九章 予期せぬ出来事-9
「ほら、あなたの旦那様も
相当感じているようですよ」
言われるまま視線を向けると、夫があられもない姿で悶えていた。
「あはぁ・・・はぁっはぁっはぁっ・・・
あああ、おおおおー・・・」
下半身をむき出しにして強烈に反応している。
「裕君・・・」
私、何をしているのだろう。
男に抱かれながら夫が犯されるのを見ている。
止めようともしないで。
こんな異常な行為を只、ジッと眺めているなんて。
ショックが強すぎたのかしら。
怒りが切なさに、変わっていく。
「これが、スワッピング、なんです」
「スワッピング・・・?」
思わず聞き返した。
耳慣れないフレーズが心に波紋を作る。
得体の知れない不安となって胸に広がっていく。
「ゆ、裕君・・・」
夫の名を呼ぶ私の声は、か細く震えていた。