第九章 予期せぬ出来事-7
(でも・・・)
余り腹が立たないのは何故だろう。
無邪気な表情はまるで子供のようで、気持ちがはぐらかされてしまう。
「悪気は無かったのです、ただ、
奥さんが余りにも苦しそうだったのと・・・」
男は私が騒ぎ立てない事に安心したのか、静かな口調で話し出した。
「かおり・・・
私のワイフが興奮してしまって・・・」
チラリと見る視線の先を見ると女がこちらを見ていた。
「ねぇ、見てぇ・・・あなた・・・
私、凄くイヤらしいのぉ・・・」
鼻にかかった声を出している。
全裸のままバストをさらしている。
私のよりも遙かに大きい。
「この人の旦那様、凄くハンサムだし・・・
ペニスも大きいのぉ・・・」
とんでも無い卑猥な事を平気で喋っている。
まるで三文芝居じゃない。
何だかバカバカしく思えてくる。