第九章 予期せぬ出来事-5
「んぐぐぅ・・・ふぐっ・・
んんっ・・・んっんっんっ」
チュバチュバと激しい音が聞こえてくる。
大量の唾液がコックにまとわりつき、粘ついた光を出している。
「あああっ・・・ああっああっ・・・
おおおおおっー」
裕君、声をひっきりなしに出して、私に気づきもしない。
「おおおおっー・・・す、凄いっ・・・」
女の髪を掻きむしるように両手で押さえている。
まるで、泣きそうな表情。
「ああっ・・ああっー・・・・あっあっ・・・」
官能にむせんでいる。
「ひ、ひどい・・・」
私はそう呟く事しか出来なかった。
頭が沸騰しそうな位、混乱している。
「んふっんふっ・・・ぐぐっ・・・
んんんー・・・」
私ではない女が、激しく顔を上下させて裕君のペニスに唇を滑らせている。
(な、何て・・・)
残酷な光景だろう。
涙が溢れてくる。
悲しみと怒りで気が狂いそう。
「どうして・・・どうして・・・?」
私、半ば気を失いながら何度も呟いていた。
「申し訳ありません・・・」
低い声が耳元で聞こえた。