第九章 予期せぬ出来事-3
「ゴメンね、裕君・・・」
うっとりと目を閉じたまま、私は呟いた。
愛撫を途中で中止にしてしまった事に、後ろめたさを感じていたけど。
(でも、大丈夫・・・
裕君、こんなに優しい・・・)
一生懸命、頑張った私を許してくれるだろう。
「家に・・・帰ったら、
ゆっくり・・・して、あげるから・・・」
途切れ途切れに声を出していた。
まだ苦しかったけど、せめてもの償いのつもりだったの。
涙で滲んだ目を開けられるまで、暫くこの温もりに浸っていよう。
そう思いながら優しい愛撫に身を任せていたんです。
腕の温もりと髪を撫でられ感触が心地良い。
(そう・・・)
セックスなんてしなくても、こうしているだけでも十分幸せ。
「ねぇ・・・」
その事を告げようと目を開けた時、ようやく私は異変に気づいた。
「んっ・・んっ・・・ふっ・・んふっ・・・」
曇った声と共に、何かがが動いている。
指で涙を拭い、目を凝らした。
(な、なに・・・?)
私、息を飲んでしまった。