第六章 言い訳-2
「して、ほしいんでしょ・・フェラチオ・・・」
「ええっ・・・・?」
「だって・・・」
恥ずかしそうに言葉を繋げていく。
「ま、前からして欲しいって・・・
エッチな本なんか羨ましそうに見てるし・・・」
今度は僕の顔が赤くなった。
映見は、そういう種類の女じゃない。
もう、最近では諦めていた事だった。
そんな欲求不満から雑誌を読む僕の姿を、しっかり妻は観察していたらしい。
「で、でも・・・さっきは・・・」
僕は期待しながらも妻の心変わりに落胆しないよう、用心深く聞いた。
「勿論、恥ずかしいわ・・・」
映見は顔を上げて答えている。
潤んだ瞳から小さな光が散乱していた。
「でもぉ・・・」
ためらいがちな口調で言葉を探っている。
「何だか、悔しくて・・・そう、そうなの・・・」
僕の腕を掴む指が震えている。
「隣の二人・・・馬鹿にされてるみたいじゃない?
まるで私達を子供扱いして・・・
自分達のエッチな所を見せつけたりして」
妙に饒舌になっている。