第五章 決断-3
「んぐぅっ・・んっんっ・・んんんんっー・・・」
(す、凄い・・あの人・・・)
喉の奥まで飲み込んでいる。
(苦しく、ないのかしら・・・?)
心配になるくらい、一生懸命なんです。
「おおっ・・・おっ・・・ああああー・・・」
男の両手が女の人の髪を掻きむしっている。
「かおりっ・・・おお・・・いいよ、かおりぃ」
男の人、感じている。
凄い、ショック。
まるで犯されているような印象を受ける。
イヤ、まさにそうなのかもしれない。
セックスって、一方的に男が女を犯すものだとずっと思っていたんです。
ビデオなんかで(裕君が借りてきたのを少しだけ付き合ったんだけど)観ても何か白々しくって只、男の満足感でしかない行為だと思っていたのに。
「んんぐっ・・・ふぐっ・・・
あふぅ・・・あはぁ・・・」
「おおお・・おああ・・・
あはぁ・・・あっ・・あっ・・・」
(な、何だか・・・)
身体が熱くてムズムズする。
私、どうかしちゃったのかしら。
「ねぇ・・・」
気がつくと、顔を上げて裕君の耳元で囁いていたんです。
(そ、そんな・・・)
私の理性が声を上げていた。
自分の口から信じられない言葉が漏れていく。
激しい二人の行為が私の心に火を付けみたい。
裕君の顔、凄く・・・驚いて、いた。