第四章 喧嘩-3
だけど、そんな考えは甘い事だと思い知らされた。
二人が衣服を脱ぎ、全裸になった女の人のシルエットが丸見えになったからだ。
「うわっ・・・」
さすがに声を漏らしてしまった。
いくらカーテン越しとはいえ、バストは勿論、黒い花園までクッキリと見える。
女は背も高くスレンダーで、かなりのプロポーションだった。
バストも大きくFカップは優にあるだろう。
ひょっとしてGカップかもしれない。
いわゆる巨乳というやつだ。
映見だってDカップ以上あるけど迫力がまるで違う。
何か圧倒されそうだ。
女はまるで見てくれと言わんばかりにカーテンの前で仁王立ちになった。
興奮しているのか荒い息遣いが聞こえてくる。
僕は映見を抱いたまま呆然と見つめていた。
すると今度は男が女の背後に廻り、羽交い締めするように両手が伸びてきた。
「あっ・・・う・・ふ・・・」
切ない声が漏れる。
「はっ・・・はぁっ・・あっ・・・」
細かに変化する息遣いがカーテン越しに見える男の動きを鮮明にする。
「あぐぅっー・・・あっあっあっ・・・」
更にトーンが高くなったのは、指が股間の黒いシルエットに消えた瞬間だった。
「あうっ・・・あっあっ・・い、いい・・・」
かすれた声を出しながら腰をグラインドさせている。
まるで本物のストリップショーのようだ。
ヌチャヌチャと指を出し入れする音がハッキリと聞こえてくる。
「す、すごい・・・」
僕が声を漏らした顎の下で映見も喉を鳴らしていた。
いつの間にか顔を上げ、目尻に涙のあとがある大きな瞳を潤ませ見つめている。
僕達は一つの石になったみたいに固まっていた。
互いの心臓の鼓動が感じられる。
「うっ・・・」
映見が出しそうになった声を自分の手の平で止めて飲み込んだ。
ショッキングなシーンが始まろうとしていた。