第二章 久しぶりのデート(画像付)-5
「ど、どうぞ・・・」
映見は慌てて離れると座り直した。
「ホットコーヒー二つ、お持ちしました」
素早くテーブルに置くと音も無くウェイターは部屋を出て行った。
「うーん、さすがだ・・・」
僕は妙に感心してしまった。
「客が気まずくならないよう
気を使ってるんだな・・・」
「何、感心してるのよ」
映見はカップを取ると何も入れずブラックのまま一口すすった。
「あら、こんな店にしては美味しいわ」
睫毛で作ったカーブにほんのり湯気が漂っている。
薄闇の中で見る彼女は妻というよりは別の違う女性に感じた。
場所が場所だけに妖しく思えてしまう。
「コーヒーを飲んだら、帰りましょうね」
「ええっ?そ、そりゃないよぉ」
目を丸める僕に当然の口調で言う。
「当たり前じゃない・・・
イヤよ、私・・・」
頬を膨らませている。