第二章 久しぶりのデート(画像付)-2
「じゃあ、ちょっと休んでいこうか・・・」
僕は何気なくビルの看板を指さして言った。
「いいわ、喉も乾いたし・・・」
雑居ビルにあるエレベーターがタイミング良く開いていて、二人は駆け込んだ。
エレベーターを降りるとすぐ前にドアがあった。
喫茶店にしては見通しの悪いハーフミラーのガラスドアで『喫茶トレビア』というロゴが素っ気なくレイアウトされていた。
「ここね?」
妻は何の疑いもせずにドアをあけた。
「いらっしゃいませ。」
黒服のウェイターが出迎えた時、初めて映見の表情が変わった。
ドアの向こうは閉ざされた狭い廊下が続いているだけで椅子もテーブルも見えていない。
有線からビートのきいた音楽が流れていた。