女らしく【12】『潜入と調査と前編』-6
「おやめなさい。貴女が傷ついたらどうしますの?任務にも支障が出ますし、それに…大和が喜びませんわ」
稲荷に左腕をやられたときの大和の悲しげな顔が甦ってきた。
「…分かってるよ…やらない。大和は悲しませたくない」
「本当ですわよ」
「ああ…じゃあまた明日作戦を立てようぜ。おやすみ」
消灯時刻を知らせる鐘が鳴った。
布団を被り、身体を丸める。
「おやすみなさい…」
衣擦れの音がして奏もベッドに入った様だ。
…でもオレはこれが一番だと思うんだ……
相手が何かさえ分かったら手の打ちようもある。だから…
続く…