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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【12】『潜入と調査と前編』-5

「おっ!何か開いた!中身は…男の写真だぁ♪」

オレの大切な思い出は簡単にこじ開けられてしまった…

「見るなあ!!」
「あら、大和じゃありませんの?」
「誰?マコトの彼氏?」
「マコトが10年以上想い続けている相手ですわ♪」
「うわぁ!ロマンチック♪だけど、情けなっ!」

人の気持ちを好き勝手言うなよ!!

「でも格好いいよねぇ…私惚れそう…大和君かぁ…」

や、やらねえぞ大和は!オレのパートナーなんだから!!

「夢…マコトを敵に回すと怖いですわよ」

夢の瞳に殺気を送る。慣れてない一般人ならこれで怯ませることが出来る。

「嘘に決まってんじゃん…や、やだなぁマコトは冗談通じないから…」

大和に手ぇ出したらほんとに殺るからな…

「もう…そんな怖い顔してると天使様に狙われるよ?」

夢の口からいきなりメルヘンな単語が飛び出した。

「天使様ぁ?」
「えっ…知らない?」

奏を見たところ、奏も分からないという顔をしている。

「教えてあげようではないか!」

夢は威厳たっぷりな口調で話し出した。
簡単にまとめると、ある誰も使ってない靴箱に天使様宛てで手紙を出すとそれを叶えてくれるらしい。

「と言う訳よ♪ねえ、マコトぉ…」

話終えた夢がいきなり猫撫で声を出し始めた。

「話してあげたんだからさぁー、その大和君を私に紹介してよ♪」
「殺すぞ♪」

お礼に笑顔と共に殺気もプレゼントしてやろう♪

「だ、だから…嘘だって…じゃ、私は帰るから…さいならぁ〜!」

オレの殺気に当てられた夢は猛スピードで逃げていった。

「ったく…それより奏、天使様だっけ?怪しいよな…」
「ええ…」
「もしかしたら…天使様ってのに手紙出したんじゃねえの?誰々がムカツクので懲らしめて下さいとか」
「何でもありの業界ですからね、可能性は無きにしも非ずですわ。
…ひとまずこれからどうしますのマコト…」

その時、オレに一つの考えが浮かんだ。けれどその案は奏は確実に反対するであろう。

「………」
「マコト…もしかして貴女、囮になろうなんて考えてないですわよね?」

オレの考えはまさしくそれだ。言い返すことが出来ず、沈黙が肯定を表す。


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