第七十四章 断末魔-3
「お母様っ・・・」
取りすがるルナの手を取って、マチルダは言った。
「ゴメン・・ね、ルナ・・・。
お前をこんな忌まわしい事に巻き込んで。
い、今・・全てを悟り・・・ました。
アズートに・・操られて」
マチルダの首や胸から、血が吹き出している。
「お母様っ・・・死なないで・・・」
金色の瞳から涙をボロボロ流しながら、ルナは必死に叫んでいる。
ディオンも無念の涙を流している。
「お、お願いがあるの・・・ル・・ナ」
「な,何・・お母様、何・・・?」
ルナはマチルダの手をシッカリと握って言った。
「お、お父様と・・お父様と一緒の墓に・・
て、天国で・・謝りたい・・の」
そう言うと力尽きたのか、マチルダの瞳から光りが消えていった。
「お母様っ、死なないでぇ・・お母様ぁ」
ルナの泣き叫ぶ声が、教会の中にいつまでも響いていた。