第七十三章 ルナの生気-1
第七十三章 ルナの生気
「ああ・・は、うぐふう・・・んんん・・・」
遠くから曇った声が聞こえる。
それに合わせるかの如く、ネットリと粘りつくような音も聞こえてくる。
「うっ・・うう・・・ん・・・」
マチルダは金色に光る瞳を覗かせた。
廻りは薄暗くよく見えなかった。
身体中が、爽やかな温もりに包まれていた。
こんなに新鮮な気持ちは、久しぶりであった。
熱く、固いものが入っている。
何か言い知れぬ心地良さと愛を感じた。
背中にのしかかる重みが嬉しかった。
愛おしい夫の身体だと思った。
まだ愛の余韻がこんなに強い。
マチルダは身体を捻って男の顔を覗き込むと、大きな声を出した。
「ええっ、そん・・な・・・?」
その時、マチルダは自分の目を疑った。
何と、娘の幼友達の顔であった。
「ディ・・ディオン・・・?」
ディオンの手はシッカリと自分の乳房を握りしめ、安らかな寝顔を見せていた。
「あううっ・・・」
その瞬間、薄っすらと記憶を取り戻したマチルダの頭に忌まわしい場面が蘇った。
娘の恋人と交わっていたのである。
ディオンの熱く固いペニスが、まだマチルダの中で息づいている。