最終章 ルパンの敵はルパン-3
お話は戻って、ルパン対ルパン。
いくたびも激しく打ち合わされる剣と剣。
やがて。
剣が折れ、追い詰められたルパン。
そして。
剣が折れたルパンにせまるルパン。
にらみ合うふたりのルパンである。
「???……加勢してやるから答えろ。どっちがホンモノのルパンだ?」
そこへ、遅れて来た五右衛門と、マグナムを構えた次元。
折れた剣を持ったルパンが、
「……信じられなきゃ仕方がないが、コイツの手にかかってくたばるのはゴメンだぜ」
と、もう一方のルパンを指さしながら、
「せめて……親友のお前の手で殺して……ぐわぁアア!?」
次元のマグナムが火を吹き、胸を撃たれたルパンは衝撃で転がった。
「なぜ……なぜわかった!?……わたしがニセモノだと」
「いやぁ……ホンモノのルパンなら、せめてお前の手で、なんてもったいぶったセリフ吐きゃあしねえや」
仕留めたのを認めて背中を向けながら、次元は答える。
「恥も外聞もなく泣き叫ぶさ……たすけてくれェ、ってな」
銃口の白煙を吹き消し、ホルスターにしまう。
「じ……次元ッ!!」
その次元の背後に向かってワルサーを構えたルパン……に化けたミスターXだったが、すぐさま銃をあらぬ方向へ向けて撃った。
次元の背中ではなく、室内のエレベーターのスイッチを狙って。
倒れて動かなくなったミスターXを乗せた床が、静かに地下へ逃れてゆく。
追おうとしたルパンたちだったが、逃げたミスターXと入れ違いに、別の床が浮上してきた。
タコどもの粘液と唾液に汚れ、激し過ぎる絶頂感に心も身体も打ちのめされたヤスミン姫と、峰不二子を載せて。
「だ、だいじょうぶかオイ、お姫様……それに不二子まで?……しっかりしろ不二子!!」
報酬が気に入らず手を引いたはずの不二子の登場に首をかしげながらも、衣服がネバネバしたもので汚れるのも構わずルパンはふたりを抱き起こす。
「う、うう……」
まばたきをしながら目を開けたふたり。
「……すまねえ、もう少し早く助け出したかったんだが……」
心底済まなそうにわびるルパンに、
「あ、あぁ……ルパン」
快楽の余韻が抜けきらぬ半開きの目でルパンを見上げ、
「今度はもっと、ゆっくりでも良かったのに……ねえ、ヤスミン?」
「ええ、そのとおりですわ……不二子さま」
不二子とヤスミン。
ルパンの腕の中で顔を見合わせ、互いにウインクし合うふたりであった。
〜fin〜