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不二子のウインク(ルパン三世part2 ルパンの敵はルパン より)
【二次創作 官能小説】

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第五章 不二子の敵はタコ-1

「よ、よくもカシラをッ!!」

ドーム型闘技場に、殺られた頭領のアダを討たんと、生き残りの忍者衆が殺到した。

しかし。

「ま、待て……その女は殺さず生け捕りにするのだ……いなくなった姫君の行方を聞き出さなければ!!」
…この老人の指示がかえってアダとなった。

十数名が不二子を取り囲んだにもかかわらず、彼らはウォーターサーベルの抜刀をためらう結果となる。
その隙を突いて、
バシュ、シュパパパッ。

不二子は手にしていた頭領のウォーターサーベルを繰り出し、容赦なく彼らに斬撃を浴びせたのである。

タタリ残党の全員が倒され、その血で石畳が染め上げられた。

残るはアンドロイドのヤスミンたちだけだ。

「おのれ峰不二子め……目にモノ見せてくれるわ」
老人の声が明らかな怒気をにじませた。

だが。
要塞全体を揺るがして、けたたましく警報のサイレンが鳴り響く。
「む……ルパン一味め現れおったか、クソッ」
老人は外部監視カメラのテレビモニターに目を向けて毒づいた。

「あまり遊んでいられなくなったようだよ峰クン……アンドロイドヤスミンたちよ、ルパン御一行を迎え撃つ準備を始めよ!!」
老人の指示に反応して、全裸のヤスミン集団は脱ぎ捨てた鎧や剣を拾い集め、足早に闘技場を去ってゆく。

「もうそちらに手札は残っていないようね?……オジサマ……いいえ、ミスターX」

闘技場にただひとり残された、峰不二子。
倒したタタリ衆の頭領の死体から毛皮の上着を拝借し、ウォーターサーベルで切り裂きながら、
「アナタの下品な笑い声は忘れたくても、忘れっこないのよねぇ……そうでしょ?」
毛皮の切れ端をバストトップや股間に巻いて隠したワイルドな出で立ちで、不敵に微笑む峰不二子である。
ヤスミン姫の金冠をかなぐり捨て、豊かな髪をかきあげる仕草は、ちょっとした和製女ターザンの風情だ。

「気付いていたとはさすが峰クン……するどい洞察力、恐れ入ったよ」
スピーカーの声の主、ミスターXも笑い返しながら、
「しかしさすがのキミにも、読みが外れることもある」

「アラ、また負け惜しみ?……相変わらず往生際が悪いわね」

「往生際……そう、ワタシはまだ死ねん。このあとでルパンと、正々堂々男の勝負をするまではね……そう、このお遊びをすばやく、済ませたあとで」

「これだけあたしに卑怯な真似をして、正々堂々が聞いて呆れるわ」

「さよう、ルパンとは正式な決闘をさせてもらうが峰クン。キミに対しては精一杯、卑怯なオトコを演じさせてもらいますよ?……ポチッと」

ボトッ。
ボトボトボトッ。

ドーム型の天井から、いくつもの、ちょうど人の頭くらいのサイズのかたまりが落下して来て、次々と床で湿った音を立てた。

その赤黒いかたまりたちは、ニョロニョロと吸盤付きの触手を何本もくねらせながら、ゆっくりと不二子に迫ってくる。

そう。
ヤスミン姫のときよりサイズはかなり小ぶりだが、その数は40匹や50匹ではきかないであろう、テンタクルウのタコの群れであった。

「あの汚れを知らぬ姫君ヤスミンでさえ快楽に狂いかけた……テンタクルウの術で育てた養殖タコを使った、テンタクルウの刑、始めますよ!!……ウッヒヒヒヒ……」

迫り来るタコの群れ。

シュパッ。

その異様さに一瞬ひるんだ不二子であったが、すぐ気を取り直して、柄だけの忍者刀ウォーターサーベルをなぎ払うと、4〜5
匹のタコが横一文字に両断され、その身体を宙に舞い上がらせた。
大振りの斬撃の隙を突いて、1匹のタコが素足に絡みついてきた。
「……ッ!!」
すかさず振り下ろした切っ先が、タコの頭部を刺し貫いた。
しかし。
絶命していても、しばらくは触手も吸盤もその機能を維持するのだろう。石畳の床と不二子の足首に吸い付いたそれは、なかなか離れない。

その場に足止めされた不二子に、さらなるタコの群れがせまる。

パシュパシュ、パシュ。

パスッ。

プス……プス……

2〜3匹の触手を斬り飛ばしたまでは良かったが、サーベルは急にその圧力を失ってしまう。
「ウヒヒヒヒ……残念ながらウォーターサーベルの制限時間は、連続使用で1分弱でしてねぇ……圧縮した水を補給しなければ使い物にはならないのですねぇ」
道理で、頭領やその部下たちもウォーターサーベルを、瞬間的に居合抜きをするような短時間の使用にとどめていたのだろうと思い至る。
「……作った人に似て、細身でしかもずいぶんな早漏なのネ」
憎まれ口を叩いて見せる不二子であったが。
使用限度を超えて沈黙したウォーターサーベルを、追ってくるタコたちに投げつけ、逃げ回るしかなくなり、反撃するすべを失ってしまった。

見る見る壁際へと追い込まれる不二子。


「お、お待ちなさい!!」

さすがの不二子も万事休すかと思われた時だった。
凛とした叫びが、闘技場に響いた。
「……そのかたを苦しめるのはわたくしが許しません!!……さあ、不二子さまこれを!!」

バスルームで不二子と入れ替わった、ココダット王国の姫。

今日が二十歳の誕生日のヤスミンその人であった。


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