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不二子のウインク(ルパン三世part2 ルパンの敵はルパン より)
【二次創作 官能小説】

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第四章 ヤスミンの敵はヤスミン-2

「……う、ううん」

数度の瞬きのあと、うめきながらもゆっくりとヤスミン姫は目を覚ました。
(……ハッ?!)
自分ひとりが照らし出された異様さに息を呑んだ彼女は、闇に包まれた周囲を警戒するようにに身を縮めた。

「……お目覚めかね姫君?」
いやらしい声色がスピーカーからとどく。
「……入浴も着替えも済ませて、緊張もほぐれたことでしょう?……ご機嫌はいかがですかなぁイッヒヒヒ」
「わ、わたくしにあんなことをしておいて、機嫌が良い訳があるものですか!」
ヤスミン姫は気丈に叫び、怯えた目で暗闇の奥をにらみつける。
「あなたたちはクズです……お金や暴力で人を従わせようとする、ケダモノ以下のクズです!!」
「ウヒヒヒヒ、確かにそうかもしれませんがねぇ姫君?……でもあなたの王国だって、地下水脈を独占しておいて周囲にひた隠しにして、表向きは貧乏国を装って国民に質素倹約を強いている、欲深いケダモノではないですかなぁ?……ええ?そうでしょう?」
「そんな……そんなことは」
「そんなことをするほど大事だから、以前にワタシが送り込んだ部下たちはもちろん、2000年以上もの昔から、水脈の秘密を求めてきた侵入者をとらえた挙げ句、ヒドイ拷問の末に皆殺しにしてきた長い歴史がお有りなのでしょう?」
「そ、そんな……」
「……コチラだけを一方的にケダモノ以下とはヒドイんじゃありませんかネェ?」
「……」
王国の過去の暗部について切り込まれてしまって、姫は言葉をつまらせてしまうのだった。
そんなヤスミンにはお構いなしに、
「さあーて姫君、実は少々、こちらの質問に答えていただきたいのですがねえ……」
老人の声がささやくように低められる。
「……あなたの前に、峰不二子という日本人のオンナが現れたハズなのですが……何かご存知ありませんか?」

ヤスミン姫はしばらく考えてから、
「あのかたは、わたくしに着替えさせてくださっただけでしたわ」
静かに答えた。
「ただ……」
「た、ただ?……あのオンナはナニを」

「あのかたはただ、こんな悪趣味なセンスの悪い奴らのいる場所からは必ず救い出してあげるから、おとなしく待っていて、とだけ……わたくしに唯一、希望の言葉をかけてくださったわ」

「ほ、ほほう……それはそれは」
スピーカーの声は明るい口調を保っていたが、趣味が悪いと言われたことへの苛立ちをにじませていた。
「で、そのオンナはどこへ……」

「さあ……わかりません」
姫は穏やかに首を振って、
「すぐに居なくなってしまいましたから……案外、すぐ近くでわたくしを救い出そうと見守ってくださっているかもしれませんわね?」
目元に笑みを浮かべて答えたのだった。

「ホホホ……愉快愉快、近くにいるならぜひともお会いしたいもんですなあ」
声は笑っていたが、おそらくこめかみには血管が浮き出ているだろう。
「では、せいぜい早く再会できるように祈るんですネェ!!」

老人が叫ぶと、部屋全体の照明がいきなり灯される。

いくつもの水銀灯に照らし出されたそこは、直径20メートル程もあろう、石と石を積み上げて作られた、古代闘技場を模したドームであった。


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