第六十九章 懇願-7
「ルナッ・・・ああっ・・・あああっ・・・」
擦れた視界に母の姿を見た。
四つ足でディオンに貫かれている。
「ワシを御主人様と呼ぶのだ・・・・」
(御主人・・・・様・・・・・・)
「あ・・・はぁー・・・・」
長いため息と共にルナは受け入れた。
母の姿に自分を重ねたのだ。
(司教様の奴隷になるのよ・・・・)
母の言葉が何度も浮かぶ。
(どれ・・・い・・・・)
「ああああー・・・・」
ひと際大きな悲鳴が聖堂にこだました。
それは奴隷となることを認めた、ルナの叫びであった。