第六十九章 懇願-2
「ならば誓うがいい・・・」
老人の声が命じる。
「はあぁっ・・・・」
言葉と共に近づいてきた熱い感触に、ルナの胸が弾む。
「ワシに清めて欲しくば、誓うのじゃ・・・」
泉の廻りをなぞるように、あてがっている。
「ああっ・・・はうっ・・・・」
膨れ上がる期待が息苦しい。
「ワシの奴隷になれ・・・。
ワシを御主人様と仰ぐのじゃ」
「あああっ・・・・あっ・はぁっ・・・」
(ご・・・御主人・・・様・・・?)
違和感のある響きだった。
王女であるルナにとって口にした事が無いものだ。
しかし、それは懐かしさと共にルナの心に広がっていく。
夢の中で調教された言葉である。
オオトカゲに向かい何度も叫んでいた。
そして、初めて見た母の痴態の中でも聞かれた言葉だった。