第六十一章 蘇る悪夢3-5
(だめ・・・だ・・め・・・・)
現在の目覚めているルナの理性が止める。
だが、まだ汚れを知らなかった過去の自分の口から、切ない声が漏れていった。
「は・・・い・・・・」
司教が顔を歪ませて笑っている。
「欲しかったのだろう・・・・?」
血管が、催促するかの如く脈打っている。
「は・・・い・・・・」
素直な声だった。
母と恋人の淫靡な光景が、ルナの欲望に火を灯したのかもしれない。
「お前を・・清めてやる・・・」
ブルーの髪を優しく撫でながら、アズートはルナの顔を引寄せた。
(は・・・い・・・・)
塞がれていく口の中で、ルナの言葉は消えていった。
夢の中で調教され続けていたシーンと同じように。