第六十一章 蘇る悪夢3-2
「あっ・・はぁっ・・・・」
透明な液体が溢れ出ている。
ネットリとルナの指先を濡らしていく。
見上げた瞳は無数の小さな光を散乱させながら揺れている。
「す・・・すご・・い・・・」
ルナは何度もつぶやきながらも、ためらいを隠す事ができなかった。
「初めてか・・・?」
薄笑いを浮かべてアズートが尋ねた。
「はっ・・は・・い・・・・」
ルナの声が、か細く消えていく。
目尻から一筋、涙が落ちていった。
怖かった。
これ程グロテクスなモノが、この世にあるだろうか。
それでもルナの細い指はアズートのペニスを放す事なく、脈打つ鼓動の感覚を受け止めている。
男というものを意識するかのように。
「そんな筈はないだろう・・・?」
(そっ・・・そんなぁ・・・)
アズートの言葉に、泣きそうな表情を向けるルナだった。
愛するディオンの身体でさえ、正視した事はなかったのだ。
まして司教のものを。
「あっ・・・」
ルナは思い出した。
そう、何度も見ていたのだ。
あの不思議な夢の中で。