第五十九章 蘇る悪夢2-3
「ふふふ・・・・ルナよ・・・・」
叫び出したい程の喜びを噛み締めながら、司教が言った。
「はあぁっ・・・・・」
不思議な感覚が、ルナから力を奪っていた。
一糸まとわぬ姿で、唇を奪われている。
それなのに避けがたい甘美な誘惑が、身体の奥底から湧き上がってくるのだ。
老人のなすがまま、唇を犯されている。
(な、何・・・・わ、私・・・・?)
「んっ・・ふぅっ・・んっ・・・・」
熱い息が漏れる。
一通り味わった老人は満足気に言った。
「ワシが誰か分かるか・・・・?」
ルナの潤んだ瞳は、長い睫毛で覆われたまま老人の顔を見た。
ボンヤリと記憶が蘇ってくる。
徐々にルナは思い出していった。
「司教・・・様・・・・?」
思考を取り戻したルナは、驚きに目を見開いている。
「い、いやぁ・・・・」
恥ずかしさが込み上げ、見る見るうちに頬を赤く染めてしまった。
「ど、どうして・・・・?」
頭の中を霧が覆っていて、理解が出来ない。