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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第五十三章 聖少女ルナ-2

「ルナァ・・・ディオン・・・・」
微笑み手を振る母の声が、庭園に木霊する。

「行こうっ、ディオン・・・」
ルナは少年を促すと、別の方角に駆け出していった。

「あっ、待って・・・ルナァ・・・・」
慌てて追う少年は、未練気に王妃を見つめながら走っていった。

ディオンはマチルダ王妃が大好きだった。
勿論、この世で一番好きなのはルナであったが。

幼い頃に母を亡くしている少年にとって、美しく優しい王妃に心酔しているのだ。
その甘い香り、輝く瞳に触れる度に胸がときめく。

ルナと同じ金色の光は少年を虜にする。
心が吸い込まれるように感じるのだ。

だから少女が駆け出した時、失望感が少年の表情を幾分曇らせているのだった。

(ディオン・・・・・)

庭園の端にある聖堂の壁にもたれ、ルナは少年を待っている。
自分の今の行動が不可解で戸惑っていた。

大好きな母。
国中の者が憧れる美しい王妃。

最近その美貌に、益々磨きがかかったように思える。
それはまるで女神の如く、眩しく輝き人々を魅了するのだった。


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