第四十八章 初めて咥えた日-3
「は、はい・・・・」
マチルダは意を決し、顔を近づけていった。
こうする以外に自分が清められる事はない。
そう、信じている。
夫を裏切る行為よりも、自分の奥底に潜む淫乱の血を浄化してもらう事が重大に思えた。
グロテクスな形が心に迫ってくる。
しかし、それを堪らなく望んでいる。
(ああ・・・欲し・・い・・・・)
マチルダは、そう思った。
夢の中と同じように。
「司教・・・様・・・・・」
コックを握り締めたまま見上げる王妃の表情が悩ましい。
「お清め・・くださ・・い・・・・」
王妃の端整な唇が開かれ、近づいていくのであった。
「んふっ・・・・ふっ・・・ぐっ・・・」
苦しそうな息が漏れている。
「んはっ・・・・はぅっ・・はあぁっ・・・」
時折、むせるような声が聖堂に響いていた。
「ゆっくり・・・・そう、ゆっくりと」
その度ごとに、司教の低い声が優しく励ましていく。
グリーンの長い髪をかきあげながら。