好き同士だからいいでしょ-3
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図書室の書庫。
某介は射精をすませても、私からなかなか離れてくれない。
私も、まだまだ某介が内側にいることを感じていたい。
某介が言った。
「今日の試験で、n目s石の問題が出てきたやろ?」
「うん……」
「s石って、七人子どもがおったんやな。」
「そうやね……昔はどこの家も、ようけ子どもおったみたいやね。」
「あの時代…… 明治の男性って、どんなふうにセックスにもっていったんやろな。」
「うわ…… ナマナマしいなぁ……」
「夜にダンナが『(性行為)するぞ!』と言うたら、ツマは『はい』って受け入れるだけやったんかな。」
「昔は『家長』のチカラが絶大やったみたいやし……」
なんてことを某介とボソボソ話しながら、私はどこか外国の性教育の絵本に描かれていた「男と女の四場面」を思いだしていた。
【1】 ふたりは出会った
【2】 お互いに愛を感じた
【3】 セックスが気持ちよかった
【4】 赤ちゃんが産まれた
じゃあ某介とのセックスも、家族を作る前提条件がどこかにあるから、とっても気持ちいいんだろうな〜。
《おしまい》