第四十七章 終わることのない懺悔-3
「それは、王妃様にある心の底の欲望がみさせる夢です」
優しい答えを待っていたマチルダは、戸惑いの声をあげた。
「そ、そんな・・・」
「自分の心から、目をそむけてはいけません」
王妃の動揺を見透かした司教の言葉が、巧みに誘導していく。
「昨日、貴方の欲望を清めてさしあげました」
「はい、あ・・ありがとうございました」
マチルダの瞳が潤む。
昨日の激しい営みが、頭を駆け巡る。
「まだまだ・・清めねばなりません」
その言葉の意味をマチルダは悟ると、更に血が逆流する思いがした。
「で、でも・・・・」
そう言いながらも、身体が熱くなっていく。
苦悩の中に、何かを期待している自分がいた。
「私を信じなさい・・・」
皺がれた指が王妃のうなじを辿っていく。
「今日も清めてさしあげましょう」
優しい笑みを浮かべた声が、王妃の心を巧みに操っていく。