第四十六章 再び懺悔を-2
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『ああああああああ・・・・・』
悪魔の邪悪な精液を体内に放出された王妃は、もはや身も心もどす黒い欲望に染まってしまったのである。
その後、タップリと生気を吸い取られたマチルダは放心状態で聖堂を後にした。
『お前は清められたのじゃ・・・』
『は・・・い・・・・』
司教へ無意識に答えた記憶も無いまま、泥のように眠った。
目覚めた時、それは真実の如く思えた。
心が軽かった。
(やはり、清めて下さったのだわ)
一日で見違えるように美しさを増した王妃に、城内の者は感嘆の声を上げた。
しかし清清しい気分を壊すかの如く、司教からの伝言が届けられた。
呼び出された聖堂の中に司教を見つけると、王妃は戸惑いの表情を浮かべながらも顔を上気させるのだった。
「ご気分はどうですか・・・?」
「は、は・・い・・・」
王妃の顔が真っ赤に染まる。
昨日の記憶が蘇ってくる。
目の前にいる司教と交わっていたのだ。
神聖な、この祭壇で。
「まだまだ、清めねばなりません」
マチルダの心に不安が広がる。
「ご安心下さい、王妃様」
マチルダの心を読み取るかの如く、司教の皺がれた手が細い肩に置かれた。
「私は神の使いです・・・」
すぐに視線が、絡め取られていく。
「アナタは神に召されるのです」
「は、は・・・い・・・」
灰色の瞳に導かれるまま、二人きりの聖堂でマチルダは祭壇にひざまずいた。
聖堂の中には誰もいない。
司教と王妃の二人きりである。
マチルダは美しい唇を徐々に開いていく。
新しい地獄の始まりであった。