レナ・ホリデー-7
この場所のいい所は、うつくしい自然と、この展示用に獲物を吊るせる木だ。
娘は腕を上げたままで、座ることもできずに、幼児体形の残る裸をさらしている。
ついでに目隠しをしておいた。
娘は背伸びして、歯を使って手首のロープをほどこうとしているが、結び目に口が届くわけがない。
先輩はまだ、物欲しげに娘を見ていた。指をなめ、娘の股に差し込もうとしている。
あの方の罰を恐れてめったなことはしないだろうが、≪娘が暴れて傷でもつけたら殺してやる≫
しかし、ここで生贄を守り切れなかったら、地位が上がるどころか、私にも怒りの矛先が向いてくるかもしれない。≪先輩でさえなかったら≫
新たに到着したメンバーが、目ざとく娘にさわりにきた。服を脱ぐと娘を抱き締める。
「幼児でなく、これくらいの子はいいですな」乳房に顔をこすりつけている。
「やめろ」娘が暴れて揺れていた。
「どれ、下も‥」
わたしはあわてて祭壇にするための台をその場に置いて、駆け寄った。
「この子は処女なんです。あの方の怒りを買わないように、お手柔らかに」≪さわるな、おれのものだ≫ こいつも殺してやりたかった。
「そうですか、なるほど」股間に差し入れかけた手を止めると、片足を持ち上げてのぞき込む。
「暗くてよく見えませんね」指で割れ目を大きく押し開いた。
「あら、お嬢ちゃんに何してるの」女性メンバーが来た。
「ああ、ひさしぶりですね。今日のは乙女だというので、検分しておりました」
「こんな子に。 かわいそうに怖がってるじゃないの。大丈夫よ」女は娘を後ろから抱きしめる。 「男なんかに触らせないわ。安心して待ちましょうね」
そういう自分が胸にさわり、股間に手を差し込んでいる。 「どう、気持ちいい?」
「いやだ」
「自分ではするんでしょ、それにね、こうしておかないと、あとですっごく痛くなっちゃうから、言うことを聞いておきなさいね」
「あたし、されちゃうの」
「そうじゃないわ、味見をしていただけるのよ。名誉なことよ。でも、痛いか気持ちいいかはあなた次第ね」
痛かろうが気持ちよかろうが、ちょっとの事だ、どうせその後はどうでもよくなる。
≪自分がさわりたいだけのくせに、この女、今度抱いた時には同じようにくくり付けて泣かせてやる≫ それでも、今はこの女に任せておくことにして祭壇の設営を急いだ。
もう暗くなってきていた。薪の山に火をつけた。
そのあともひとり、ふたりとメンバーが増えていった。
十三人がそろったところで、祈りの言葉が低く流れ始め、次々に皆が唱和していく。
やがて、祈りは歓声のように大きくなって、 かがり火の向こうから山羊の頭をした男が現れた。
ひざに当たる関節が前後逆についているように見える。人類の足ではない、獣の後ろ脚だ。
その先には二つに分かれた蹄がある。
胴体は人のように見えるが、胸にはふくよかな乳房が三つ並んでいた。
そして股間からは大きな男根が伸びて、ぶら下がっていた。